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都志見セイジの本音のホンネ

miravile.exblog.jp
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2010年 08月 23日

最後の本音

ふ~。いつも感じることは、自分の意志のようで、そうじゃない何か宿命のような力が、俺の体と心
を突き動かしているように感じる。
「やっと」か、はたまた「たかだか」か・・・、ミラヴィルをオープンしてあさってでちょうど10年。
その10年目のあさってに見事に閉店する。自分としてはとても晴れ晴れしている。
確かに理由については、どうしても「御挨拶」として耳触りのいいことばを選んで、決して核心に
触れることはしないのが世の常だが、当然そこには確固たる理由があり、何かに、あるいは自分に対する怒りもある。
その10年間の蓄積した思いをこれかスタートする10年で克服して行きたいと切に思うのである。
今夜、来てくださった10年来の家族連れの常連さんとの話で、「シェフが楽しく仕事が出来れば、
お客さんも自然に楽しむことが出来る」と言う話をし、俺もまさに今回はそういう仕事をするべきと感じる。
この当たり前のことがこの十年の間、出来なかったのである。
楽しめていたとしても、ただがむしゃらに、突っ走り、立ち止まって休むことをしないことを美徳とし、
結果苦しみ、そして消耗してきたわけだ。
幸い俺は若いころに十分な社会勉強をしてきたので人としての道徳や社会的な常識は最低限備わっているつもりだが、
おそらく若くしてこの状態に入っていれば、世間知らずの欠陥人間としてとんでもない大人になっていただろう。
いずれにせよ、これからの都志見セイジはこれまでと違う都志見セイジを演じ、生き方をし、そして仕事をしてくつもりである

今回閉店するにあたって、本当にたくさんの方々に心配していただき、激励していただき、期待していただき、
言葉を頂いた。あらためてミラヴィルはこういう根強いファンの方たちに支えられてきたことを実感した。
お花も頂き、お祝いも頂いた。本当にありがたいし何物にも代えがたいこれからの自信につながるのである。

これからのことはあくまで「自分次第」で、でもこれまで起きたことは本当に「お陰様」なのである。
だから本当に心からミラヴィルを支えてくださったお客様に感謝している。

ここに最後の本音としてのブログを締めくくりたいと思う。
たいして更新できなかったのが残念であるが、それでもこれまで楽しみにして読んで頂いた方々には心よりお礼を言いたい。
「ホンネ」と称して大した「本音」を言えなかった自分の度胸の無さを恥じるほどである。

また、いつか違う形でブログは書いていきたいと思っているが、もしまた見つけていただいたら、また
「くだらないこと書いてるね~。ちっとも変ってないわね~。」と笑いながらでも読んでいただければ本人は多いに幸せ
である。

最後にこれはお知らせであるが、閉店翌日の25日(水)にミラヴィルにて「お別れ会&バザー」なるものをやりたいと
考えている。とにかくふら~っと寄ってくだされば幸せであり、さらに今回はこの10年を一度整理する意味で
私が描きためた絵や10年間店に飾っていた絵、ロゴ入りの皿や、カトラリー、看板等を
ご希望者の方にお分けする「バザー」を開催しますのでお時間の許す方は是非遊びに来てほしい。
冷たい飲み物なぞを用意してお待ちしております。もちろん入場無料。食べ物の用意はありませんのであしからず。

では、これにて「都志見セイジの本音のホンネ」は終了いたします。
10年間誠にありがとうございました。

都志見セイジ

# by tsushimiseiji | 2010-08-23 00:21
2010年 06月 14日

インドマンゴーの話。

インドマンゴーの話。_e0098024_17222673.jpg

先日ふとしたきっかけで、インドよりフレッシュマンゴーを輸入している方との出会いがあり、初めてインドのマンゴー
に触れる機会があった。現在のところ日本でのマンゴー市場で馴染みがあるのは、フィリピンや、メキシコ産のものが
ほとんどであるが、マンゴーの起源はどうやらインドらしい。インドでは4000年以上前から栽培が始まっており
、仏教の経典にもその名が見られるそうな。10世紀にペルシャ人によってインドから東アフリカに伝わり、
そこから西アフリカ、ブラジル、バミューダ、そして19世紀にはフロリダにまで栽培地域は広まったそうである。
東南アジアには15世紀にインドから広まり、現在では毎年1000万トン強のマンゴーを生産し
、世界のマンゴー生産量の半数以上を占めているといわれている。ふむふむ。
ウンチクは決して得意分野ではないので、これくらいにしておくが、料理を生業にしている俺にとっては
うまいか、そうでないか、せいぜい味の分析位は興味を持って学習したいと思うわけである。
インドマンゴーの話。_e0098024_1725415.jpg

どうやら2006年に農水省から輸入許可が初めて下りたらしく、確かに日本でフレッシュのインドマンゴが紹介されて久しいのだろうが、
実感として、まだメジャーなフルーツではない。ご存じない方も多いと思う。写真の向かって右がケシャールマンゴ。そして左が世界的にも「マンゴーの王様」として名高いアルフォンソマンゴーである。見た目では右のケシャールの方が大きくて派手で、存在感のあるように見えるが
味の評価は、左の小ぶりのもののほうが断然上なのである。確かに凝縮感があるよね。
インドマンゴーの話。_e0098024_17344448.jpg

やはり味の評価は比較対象がないと・・・。と、おなじみのフィリピンマンゴーとメキシカンマンゴー、ともに同等の熟れ具合のものも用意して味見をしてみることにした。こういうときってなんかワクワクするもんだな。(笑)

結果はっぴよ~~う。

・左上のフィリピンマンゴーは、いわゆる日常食としてのマンゴーである。熟れているものは難なく うまい。甘さも十分。
・右上のメキシカンマンゴーは色もフィリピンに比べ多少濃く、味も比例して深みのある上質のマンゴーの味わいである。
・右下のケシャールマンゴーは、ん?これはちょっと初めての感覚で、なんというかちょっと「クセ」のある味。初めてということでの違和感は感じるが、前者2種に比べると、甘さは十分に勝っている。
・最後の左下のアルフォンソマンゴーは・・・。やはり脱帽である。まさに王様の名にふさわしい味の深みと別格な甘さ。よくあるフルーツのシロップ煮の缶詰と錯覚するくらいの糖度の高さはまぎれもなく今回の4種の中ではトップである。

口の中をリセットし、食べる順番を逆にしてみると、フィリピン、メキシカンなどは最初にない「酸味」を感じるほどに味の錯覚を起こしてしまう。それくらいインドの2種は甘いということになる。


総評だが、確かに甘さは素晴らしいし、味も深い。ちょっと癖もあるが逆に癖になる味である。価格も国産の宮崎ブランドなどに比べると比較的
求めやすい価格だが・・・。
輸入されて4年近く立つインド産のフレッシュマンゴー。今後日本人に受け入れられていくのだろうか?
価格は目安として1個だいたい末端で1,200円前後だろう。輸入元の担当者との話の中では、フレッシュ(生の果肉)は一年を通して約1か月間しか出荷されないという。
缶詰やピュレは通年出廻っているようだが、やはりフレッシュに越したことはない。
いくら美味しくても、供給量の問題や、価格の問題でインドマンゴーの今後の日本での普及率は高まるのか?
実際に食べてみて美味しいと感じた俺は温かい目で見守っていきたいもんである。

こうしてインドマンゴーのブログを書きながら、”フレッシュ アルフォンソマンゴーのパフェ”フェアーなどを企てようかな?
などと考えているいつもの俺がいた。うまいど~。

「丸ごと1個使った生アルフォンソマンゴーのパフェ」 ¥2,000 なり~。

高い?安い?どう? オーダーする??

 

# by tsushimiseiji | 2010-06-14 18:13
2010年 05月 28日

「客が店主を育てる」・・・!?。

「客が店主を育てる」・・・!?。_e0098024_2351015.jpg

「店は客が育てる。」今でもこういうのだろうか? 俺がまだ丁稚(でっち)の頃に諸先輩などからよく聞いた言葉だ。
色々な意味で、客は店にとって当然主役であって、その主役が中心となって店を盛り上げる。客が主役である以上店主は
2番手なのである。2番手の店主は主役の客のほめ言葉や忠告、時にはお叱りを真摯に受け止め、改善し、さらにいい店へと
向上させる。そしてよくなった店には、またいい客が来る。そしてまた店がよくなる。まさに客が店を育てるのである。

上野写真は、前回の「ミラヴィルお遍路」はがきを送ってくださったお客様の、今度は旦那さまが利根川から天然もののウナギを届けてくれたときに
同封されていた一枚のはがきである。ウナギを自分で仕掛けて獲ること自体俺にとって大したことだが、さらにこの方は
成田空港に勤務するいわゆるサラリーマンである野が驚きである。ずいぶん前からはるばるお店に足を運んでいただき、
オープン以来まさに「育てて」もらっている。

青みが強いのが・・・・・・、茶色が強いのが・・・。悲しいかな俺はそこまでの意識がなかったが、「へ~~。」「なるほど~。」
の連続である。利根川のことを「坂東太郎」といい、そこには「坂東太郎」という名のブランドウナギがいて、3000年前に発見された
「古代蓮」を作ってる方が千葉にいて、それは現代蓮よりねっとりもちっとしていて、「ラヴレター」という洒落た品種のイチゴが
あって、数があまりとれなくて、甘くってと・・・・・。他にも色々、色々なお客様から頂く美味しい話は貴重な情報源である。
そして、次の日には調べて連絡を入れて、現地へ行く。これが俺の仕事の大きな楽しみの一つになっている。
俺は、お客さまからの情報をもとに仕事をしているようなもんだ。

冒頭に記した通り、「店は客が育てる。」色々な意味があるだろうが少なくともうちは、「店」というより「オレ」を育ててもらっているね。(笑)
でも結果としてそれらを聞いたり口にしたりするうちのお客さんは到底大満足なのであるし、だから「店」が育つわけである。
最後に、
「客が店主を育てる」・・・!?。_e0098024_2361583.jpg

ウナギと一緒に元気そうなスナップエンドウがたくさん入っていた。
そして添えられていたメモがこれである。

この人すごいっ!

# by tsushimiseiji | 2010-05-28 23:06
2010年 05月 14日

ミラヴィルお遍路様!?

ミラヴィルお遍路様!?_e0098024_2127173.jpg

今月の初めに書店にて発売された自身の本「野菜一つだけのレシピ」(文化出版局)を買っていただいた常連さん
から届いた一枚のはがき。どこかで見かけた料理。
まさに本中にある野菜料理をそのまま再現して、(いや、もしかしたら実際以上かもしれない)
「お遍路」と表現して送っていただいたもの。
ん~~。 絶句である。もちろん時間もかかったであろうが、とにかく熱心さと行動力には脱帽である。
加えてセンスもいいではないか。レシピ本が店頭で氾濫している中、わざわざ私の本を手にしていただき、
さらに実際に作っていただいていることは、著者にとってこの上ない喜びである。
Twitterなどからも、「試してみた」とか「今度挑戦してみます」とかうれしい言葉を頂く。

昨今料理雑誌、特にプロの作る傑作本のようなものが売れなくなってきたとの声を、当の出版社
などからも耳にするが、今回の本は決してこだわりのテクニカル料理ではなく、あくまでも一般に手に入る食材で、
主婦などが、家庭にある道具を使ってできるものにプロのワンポイントを加えたものであり、
私自身も相当アマチュア目線で考えたものばかり。プロにとっては確かに簡単な作業ではない
でも「間違っていない」と思う。プロの料理人は自己満足的に、レストランに足お運んでくれるお客さんに腕を振るうのも社会貢献ではあるが、さらに
より多くのお客さんに日常のメニューのヒントになるような料理を提案していくことも、当然
立派な職責であり社会貢献であろう。

が、しかし、それでもなお 一通り本をご覧になって、
「難しいわ~。あたし、このスープくらいしかできないわぁ~。」
と、言われた日にゃぁ・・・・。
うむ~~~~。
違う意味で脱帽である。

以上。

太田様 本当にありがとうございました。 

# by tsushimiseiji | 2010-05-14 21:34
2010年 05月 12日

日本人による日本人のための日本の分析

最近ちょっと面白動画を見つけた。
タイトル通り、日本人向けに日本と日本人を分析したもの。
ある学生が、卒業を記念して創った作品らしいが、学生の手によることにも驚かされる。
日本人として当然認識しているとはいえ、改めてこうやって見せられると、「なるほど・・・。おかしい。」と気づかされることも少なくない。ちょっとした恥ずかしささえ覚える。

でもまあ、とにかくよくできてて面白かった。
後半の国別の年間の性交渉平均回数のところでは
ギリシャが現在経済恐慌に陥っている理由もなんとなくわかったし(笑)
日本が少子化に苦しんでいる理由もある意味うなずける(再笑)

まあ、百聞は一見にしかず、見てください。
http://vimeo.com/9873910

# by tsushimiseiji | 2010-05-12 00:12